DNAの二重らせんや生体分子膜など、自然界では分子が自発的に組織化することで、特異な構造が形成されます。この現象は「自己組織化」と呼ばれ、現在様々な機能性物質の創製に利用されています。例えば、金属イオンと有機配位子の自己組織化によって、規則性ナノ細孔を内部骨格に有する多孔性金属錯体(Metal-Organic Framework: MOF)が構築できます。同様の手法で、共有結合性有機構造体(Covalent-Organic Framework: COF)、金属錯体多面体(Metal-Organic Polyhedra: MOP)、有機ケージといった数多くのナノ空間物質が生み出されています。これらの分子性ナノ空間材料は、原子レベルで精密な情報を有する機能性空間を自ら設計、構築できるところに大きな意義があります。私たちは、様々なナノ空間材料を合理的に組み立て、空間情報を物質へと転写することで、従来法では実現が困難な合成、集積、認識の制御を行っています。
思い通りに分子性ナノ空間材料を組み立てる
RESEARCH研究内容